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AIに仕事を奪われるのは本当?ベーシックインカムの必要性はある?

2019年11月14日

近年、ベーシックインカムの導入についての議論が活発化しています。これは、最低限所得保障の一種で、政府が最低限の生活を送るために必要な現金を、国民全員に無条件かつ無期限に支給するという制度です。ベーシックインカムの導入に注目が集まっている背景としては、AI(人工知能)の目覚ましい進歩によって、将来的に多くの人が仕事を失うことが予想されているためです。

とくに日本においては、労働人口の減少にともなって深刻な人材不足が生じることが予測されており、積極的なAI導入が進むことで、10~20年後には現在ある仕事の49%がAIによって自動化されると言われています。一般事務職やプログラマーなどのコンピューター内で完結する職業は、AIに置き換えられる可能性が高いと考えられています。一方で、AIで自動化するのは難しい職業としては、複雑なコミュニケーション能力が求められる営業職や、デザイナーなどのクリエイティブ性が求められる職業などが挙げられます。

また、新たな技術が登場するということは、今までになかったサービスが生まれることを意味しています。たとえば、スマホが登場することで、アプリ開発やスマホを利用した様々なサービスが登場しました。AIに関しても同様のことが起きると予想され、AIに関する新たな職業が誕生すると言われています。このように、AIによる自動化によって、コンピューター内で完結する事務職などは無くなる可能性が高い一方で、残る職業や新たに生まれる職業も存在するため、ベーシックインカムの必要性については懐疑的な意見も存在します。

ベーシックインカムに関する諸外国の取り組みを見てみると、スイスでは2016年に、成人に対して政府から毎月27万円の現金を支給するベーシックインカムの導入に関しての国民投票が行われましたが、結果は国民の76.9%が反対票を投じて否決されました。また、フィンランドでは、2017年1月から2年間に渡り、失業者2,000人に一律で毎月560ユーロが支給されていました。この他にも、カナダのオンタリオ州や、アメリカカリフォルニア州のストックトン市などでも試験導入が行われています。

このように、最低限所得保障の一種であるベーシックインカムは、世界各国で盛んに議論されており、実際に試験導入に踏み切った国や地域も存在します。ベーシックインカム導入には、財源面などクリアしなければいけない課題は多いものの、日本においても今後議論が進んでいく可能性は十分にあるでしょう。

ベーシックインカムの是非については様々な意見があるため、本当に導入されるかは分かりませんが、AIの発展による社会構造の変化は間違いなく生じます。そのため、ベーシックインカムを含め、社会構造の変化に対応するには、どのように対処すべきなのかを国民全体で議論していくことが重要でしょう。